bjリーグの決勝前、「秋田県民歌」を歌う秋田ノーザンハピネッツのファン=2015年5月、東京都内
bjリーグの決勝前、「秋田県民歌」を歌う秋田ノーザンハピネッツのファン=2015年5月、東京都内

 県民歌について1カ月前に小欄で取り上げた。島根の『薄紫の山脈(やまなみ)』に比べ、鳥取の『わきあがる力』は浸透しておらず、30人が集った鳥取出身者の会合で尋ねると、知っていたのは1人だけだったという内容。

 話題づくりになったようで「鳥取のサビだけ歌える」「島根の県民歌も知らなかった」など多くの反響を頂いた。中には「私は浜田市民歌の作詞に携わった」とし『全国都道府県の歌・市の歌』という本があると教えてくれた女性も。深掘りすると面白そうだ。

 会社の同僚からも面白い話を聞いた。東京に勤務していた10年ほど前、秋田出身の知人に誘われ、都内であった男子バスケットボールbjリーグ(現Bリーグ)の秋田ノーザンハピネッツ戦に出かけた。秋田側のスタンドに陣取ると、合図とともに突然合唱が始まり驚いたという。

 <秀麗無比なる 鳥海山よ 狂瀾(きょうらん)吼(ほ)え立つ 男鹿半島よ…>。1930年制定の『秋田県民歌』だ。先の本によると、日本最古の県民歌らしい。チームを立ち上げる際、運営会社の社長が首都圏の秋田県人会に顔を出すと必ず歌うことに気付き、「チームができたら選手とファンで歌いたい」と導入。発足3年目でやっと定着したそうだ。

 サッカー日本代表の試合前、選手とファンが『君が代』を斉唱して一体感を醸成するようなものか。島根スサノオマジックの試合会場で『薄紫の山脈』を歌ってはいかが。(健)