住民が一緒に食卓を囲んで交流する地域食堂が11日、益田市遠田町の安田公民館で開かれた。地元出身の専門学校生が「人と人をつなぎたい」と、地域の応援を受けて企画した。事前に予約した約100人が食事と会話を楽しみ、笑顔があふれた。
主催したのは益田翔陽高校を今春卒業し、神戸市の専門学校に進学した稲田有咲さん(19)。地域食堂は高校3年時に課題研究で実践し、地元を離れても続けたいと夏休みの帰省を利用して開いた。
幸せを感じられる居場所にする思いを込め、「ハピネス食堂」と名付けた。料金は100円で、うずめ飯とそうめん汁、酢の物とデザートの梅ゼリーを用意した。開催準備や調理は公民館や飲食店の大人たちが協力し、コメや野菜の食材提供も受けた。後輩に当たる東陽中学校、益田翔陽高校の生徒たちも会場で配膳などを手伝った。
訪れた客は高齢者から子どもまで幅広く、顔見知りの住民同士で会話を弾ませながら食事を楽しんだ。
「来たよ」「ごちそうさま」と声を掛けられ、笑顔でお礼を伝えた稲田さん。「この場で知り合いになり、助け合ってもらえるようになるとうれしい。今後も続けていきたい」と話した。
(吉田雅史)