北斗七星から探す北極星=2月12日、出雲(いずも)市大社(たいしゃ)町で撮影(さつえい)
北斗七星から探す北極星=2月12日、出雲(いずも)市大社(たいしゃ)町で撮影(さつえい)

北斗七星を手掛かりに

 東西南北の方位は、方位磁針(じしん)を使って調べることができますが、夜なら何もなくても分かる方法があります。それは北極星(ほっきょくせい)を探(さが)すことです。北極星はいつも真北の空にあって、ほとんど動かない星だからです。

 いくつかある北極星の探し方のうち、簡単なのは北斗七星(ほくとしちせい)を手掛(てが)かりにすることです。北斗七星は、水をくむときに使うひしゃくのような形に並(なら)んだ七つの星です。今の時季の夜の初めごろなら、ひしゃくの柄(え)を下にして壁(かべ)に立て掛けたような向きに見えています。

 北斗七星を見つけたら、ひしゃくの水をくむ方の端(はし)から二番目の星と一番端の星を結びます。その線を5倍ほど延(の)ばした先にある星が北極星です。北斗七星の星々と同じくらいの明るさなので目に付きやすいと思いますが、近くにコカブという似(に)た明るさの星がありますから、線は真っ直ぐ延ばして見間違(みまちが)えないようにしてください。

 こうして見つかった北極星のある方位が北です。そして、北に向かって右が東、左が西、後ろが南となります。北斗七星は今は北極星の少し右にありますから、北東に出ているということも分かるでしょう。

 月や星など北極星以外の天体は、見える位置がその時々に変わります。方位が分からなければ、それらのおよその位置すら言い表すことができません。星の観察の第一歩は、その場所での方位を知ることなのです。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)