台湾に輸出されるボタン苗の検疫にあたる植物防疫官の坂本嗣樹さん=松江市八束町波入、JAしまねくにびき八束特産事業所
台湾に輸出されるボタン苗の検疫にあたる植物防疫官の坂本嗣樹さん=松江市八束町波入、JAしまねくにびき八束特産事業所
顕微鏡で体長約1ミリの虫を調べる坂本嗣樹さん。日本にいない病害虫の国内侵入を防ぐ仕事に使命感を抱く=境港市昭和町
顕微鏡で体長約1ミリの虫を調べる坂本嗣樹さん。日本にいない病害虫の国内侵入を防ぐ仕事に使命感を抱く=境港市昭和町
台湾に輸出されるボタン苗の検疫にあたる植物防疫官の坂本嗣樹さん=松江市八束町波入、JAしまねくにびき八束特産事業所 顕微鏡で体長約1ミリの虫を調べる坂本嗣樹さん。日本にいない病害虫の国内侵入を防ぐ仕事に使命感を抱く=境港市昭和町

植物防疫官
 坂本 嗣樹さん(境港市昭和町)

 果物を食い荒(あ)らすハエやガの幼虫(ようちゅう)、木を枯(か)らすカミキリムシの仲間など、日本にいない植物の病害虫(びょうがいちゅう)が外国から侵入(しんにゅう)したら…。そうならないよう「検疫(けんえき)」し、農業や緑を守っているのが、植物防疫官(しょくぶつぼうえきかん)です。農林水産省神戸(こうべ)植物防疫所広島支所(ししょ)境港(さかいみなと)出張所(しゅっちょうしょ)(境港市昭和町)の坂本嗣樹(さかもとひでき)さん(32)も「病害虫を一匹(いっぴき)も入れさせない」と、検疫の仕事に強い使命感で取り組んでいます。

 植物防疫官は、農学や化学を学び採用(さいよう)試験に合格(ごうかく)後、1年以上の現場経験(げんばけいけん)を積み「植物防疫官試験」に合格してなります。

 主な仕事は、港や空港で輸入(ゆにゅう)された野菜や果物、木材などを検査(けんさ)して病害虫の侵入を防(ふせ)いだり、侵入した可能性(かのうせい)のある病害虫を早期に見つけてまん延(えん)を防いだりするほか、外国に輸出する植物が相手国の検疫条件(じょうけん)に合っているかを検査。病害虫に関する調査研究も行い、海外出張する場合も。

 病害虫は、体が大きく見つかりやすいものから顕微鏡(けんびきょう)でようやく分かる小さなものまで、さまざまだけに、根気のいる仕事です。

 境港出張所は、鳥取県全域(ぜんいき)と島根県東部が受け持ち。坂本さんは11月上旬(じょうじゅん)、同僚(どうりょう)とボタンが特産の松江(まつえ)市八束(やつか)町内で、台湾(たいわん)に輸出されるボタン苗(なえ)1080鉢(はち)を検査。ネダニなどの害虫が付いていないかポットから取り出して調べ、台湾が定める検疫条件に適(てき)しているとする証明書(しょうめいしょ)を発給(はっきゅう)しました。

 坂本さんは大学を卒業後、いったんは千葉県職員(しょくいん)になりましたが、外国と連携(れんけい)して病害虫の移動(いどう)を防ぐ検疫の仕事に魅力(みりょく)を感じ、転職(てんしょく)しました。

 「検査で害虫を見つけ侵入を防げたとき、仕事のやりがいを感じる」と坂本さん。「グローバル化で貿易(ぼうえき)相手国も多様化し、さまざまな品目が輸入されるようになっており、さらに勉強をし、スキルアップしたい」と話しています。

 

★みなさんへ

 学生時代に海外旅行先で食べた果物の輸入が法律(ほうりつ)で禁(きん)じられていたことで、植物検疫を知りました。小中学生の頃(ころ)は、植物防疫官になろうとは1ミリも思っていませんでした。将来(しょうらい)どんな仕事に就(つ)くか分かりません。いろいろなことに挑戦(ちょうせん)し、できること、やりたい仕事を見つけてもらいたいです。