堀田仁助が製作(せいさく)した天球儀=島根県津和野町の太皷谷稲成神社所蔵(しょぞう)
堀田仁助が製作(せいさく)した天球儀=島根県津和野町の太皷谷稲成神社所蔵(しょぞう)

サヒメルに体験できる装置

 昔の中国では、今私(わたし)たちが知っている星(せい)座(ざ)とはまったく異(こと)なる星座が使われていました。例えば、現在(げんざい)のおとめ座あたりには竜(りゅう)の角(つの)を表す「角(かく)」、はくちょう座あたりには天(てん)の港(みなと)という意味の「天津(てんしん)」など、数多くの星座が定められていました。

 江(え)戸(ど)時代の日本でもこれら中国の星座が使われ、さらに日本独(どく)自(じ)の星座が少し加えられました。その当時の天(てん)球(きゅう)儀(ぎ)、つまり球の上に星座を描(えが)いた模(も)型(けい)が、島根県津(つ)和(わ)野(の)町に残されています。

 これを作ったのは津和野藩(はん)出身の堀(ほっ)田(た)仁(に)助(すけ)という天文(てんもん)学者です。仁助は日本地図を作った伊(い)能(のう)忠(ただ)敬(たか)に先(さき)駆(が)けて北海道などの測(そく)量(りょう)を行った人で、1808年に地球儀とともにこの天球儀を津和野のお殿様(とのさま)に献(けん)上(じょう)しました。

 今は太(たい)皷(こ)谷(だに)稲成(いなり)神社の宝物(ほうもつ)殿(でん)に展(てん)示(じ)されていて、予約すれば見ることができます。ただし、島根県の文(ぶん)化(か)財(ざい)に指定されているたいへん貴(き)重(ちょう)なものですので、手で触(さわ)ることはできません。

 そこで、三(さん)瓶(べ)自然館サヒメルでは、この天球儀を3(スリー)D(ディー)画(が)像(ぞう)にし、画面上で自由に回すことができる装(そう)置(ち)を作りました。6月6日まで、サヒメルの春の企(き)画(かく)展「学芸員のとっておき~秘(ひ)蔵(ぞう)標(ひょう)本(ほん)から最新研究まで~」で体験できますので、ぜひ江戸時代の星座の名前を見に来てください。

 なお、この企画展には、「さんいん きらめく星」のこれまでの記事を振(ふ)り返ったコーナーもあります。

 

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)