スピカとアークトゥルス=4月14日、出(いず)雲(も)市知(ち)井(い)宮(みや)町で撮影(さつえい)
スピカとアークトゥルス=4月14日、出(いず)雲(も)市知(ち)井(い)宮(みや)町で撮影(さつえい)

最も青みが強い星の一つ

 おとめ座(ざ)のスピカという明るい星は、今の季節の午後9時ごろなら、南あたりの中ほどの空に見えています。その東側の高いところには、さらに明るい、うしかい座のアークトゥルスという星があって、スピカとともに目立っています。

 二つの星は対照的(たいしょうてき)な色をしていて、オレンジ色のアークトゥルスに比(くら)べると、スピカの色はずいぶん白いことに気付きます。それが青っぽい白だと感じられる人は、いい目の持ち主です。肉眼(にくがん)で星の微妙(びみょう)な色合いを見分けることは必ずしも簡単(かんたん)ではありませんが、実はスピカは明るく見える星の中では、最も青みが強い星の一つです。

 星の色は、その星の表面の温度で決まります。温度が低い星は赤く、温度が高いほど青くなるのです。例えば、太陽の表面温度は約6000度で、遠くから太陽を眺(なが)めたとすれば、黄色い星に見えるはずです。一方スピカは2万度以上もあります。

 スピカは一つの星に見えますが、実際(じっさい)は太陽の直径(ちょっけい)の数倍もある二つの青い星が、非常(ひじょう)に接近(せっきん)して互(たが)いを回りあっています。そんな大きな星たちが超(ちょう)高温で放つ光はすさまじく、太陽の約2万個(こ)分の明るさです。

 また、それは莫大(ばくだい)なエネルギーがどんどんと使われていることも意味します。太陽はこれからおよそ50億年光り続けますが、スピカは数千万年ほどで寿命(じゅみょう)を迎(むか)えます。スピカの色は、そんな星としての激(はげ)しさの表れなのです。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)