顕微鏡をのぞき血液中の細菌を検査する獣医師の荒川泰卓さん=益田市昭和町の島根県益田家畜保健衛生所
顕微鏡をのぞき血液中の細菌を検査する獣医師の荒川泰卓さん=益田市昭和町の島根県益田家畜保健衛生所
繁殖用にするメスの子牛が病気にかかっていないことを確かめるため血液採取する主任獣医師の荒川泰卓さん=益田市白上町、佐々木牧場
繁殖用にするメスの子牛が病気にかかっていないことを確かめるため血液採取する主任獣医師の荒川泰卓さん=益田市白上町、佐々木牧場
顕微鏡をのぞき血液中の細菌を検査する獣医師の荒川泰卓さん=益田市昭和町の島根県益田家畜保健衛生所 繁殖用にするメスの子牛が病気にかかっていないことを確かめるため血液採取する主任獣医師の荒川泰卓さん=益田市白上町、佐々木牧場

獣医師 荒川 泰卓さん(益田市昭和町)

 獣医師(じゅういし)は何をする人?-と聞かれ、犬や猫(ねこ)などペットを診(み)る先生を思い浮(う)かべる人も多いのでは。しかし、産業動物といわれる牛、豚(ぶた)、鶏(にわとり)など家畜(かちく)の診療(しんりょう)、伝染病予防(でんせんびょうよぼう)や食品衛生(えいせい)という私(わたし)たちの暮(く)らしや健康につながる仕事も担(にな)っています。島根県益田(ますだ)家畜保健(ほけん)衛生所(益田市昭和町)の主任(しゅにん)獣医師、荒川泰卓(あらかわやすたか)さん(39)も家畜の病気の原因(げんいん)調査(ちょうさ)や農場の現地(げんち)指導(しどう)などに携(たずさ)わり、「畜産物の安全な提供(ていきょう)に努めたい」と話します。

 5月、荒川さんは同市白上(しらかみ)町にある佐々木(ささき)牧場を訪(おとず)れ、生後10カ月のメスの和牛から血液(けつえき)を採取(さいしゅ)。これから繁殖(はんしょく)用の母牛に育てられる牛が病気を持っていないか、検査(けんさ)するためでした。

 獣医師は大学の獣医学科で6年間学び、国家試験に合格(ごうかく)して獣医師免許(めんきょ)を取らないとなれません。

 獣医師になると、ペットの病院だけでなく家畜の診療所、国や地方の公務員(こうむいん)、動物園、製薬(せいやく)会社や食品会社の研究員など、働く場はたくさんあります。

 荒川さんは熊本市出身で、獣医師になろうと思ったのは中学1年の時。子ども向け職業(しょくぎょう)紹介(しょうかい)の冊子(さっし)で、獣医師には治療や環境(かんきょう)、畜産関係を含(ふく)めていろいろな仕事があることを知ったのがきっかけでした。

 獣医師国家試験の受験資格(しかく)が得(え)られる大学は、全国に17校と少なく、難関(なんかん)。そのため、ひたすら試験勉強をしたそうです。

 宮崎大学の獣医学科を卒業後は動物病院に勤(つと)めましたが、2010年に宮崎県内で牛や豚約30万頭が殺処分(さつしょぶん)される「口蹄疫(こうていえき)」という家畜伝染病が流行し、家畜衛生の仕事をしようと決意。翌年(よくねん)、島根県職員になりました。

 今、全国的に公務員の獣医師が不足。人材確保(かくほ)が大きな課題です。荒川さんは「食の安全、人の健康につながる獣医師の仕事は終わりのない業務ばかり。日本の畜産農家を支(ささ)え、国内で安全安心な畜産物が食べられる体制(たいせい)を維持(いじ)する力になりたい」と話しました。

 

みなさんへ
 スーパーマーケットに並(なら)ぶ畜産物を自分の国で作り続けてもらうため、私たちは働いてます。動物の健康は人の健康につながっており、私たちは動物の健康を守ることで人の健康を守っています。獣医師の職場は幅(はば)広い。生き物に興味(きょうみ)がある人は、職業の選択肢(せんたくし)としてみてほしいです。