土星が今、見ごろとなっていて、日が暮(く)れて暗くなったころ、南東の空で明るく光っています。
土星は、地球と同じように太陽の周りを回る惑星(わくせい)です。八つある惑星の中で2番目に大きく、たいへん目立つ環(わ)を持つことが特徴(とくちょう)です。
天体望遠鏡があれば環のある土星の姿(すがた)を見ることができます。望遠鏡を持っていなくても、公開天文台や地域(ちいき)の施設(しせつ)で開催(かいさい)される天体観察会に参加すれば、見せてもらえることでしょう。
ところで、土星は衛星(えいせい)がたくさんあることでも知られています。衛星とは惑星を回る天体のことで、例えば月は地球のただ一つの衛星です。近ごろ土星の衛星が新たに63個(こ)発見され、全部で146個になりました。これは最も大きな惑星である木星の95個をはるかに上回っています。
土星の衛星の多くは巨大(きょだい)な望遠鏡と高性能(こうせいのう)な観測装置(かんそくそうち)を使って見つけられたものなので、ほとんどが非常(ひじょう)に暗いのですが、タイタンという衛星は明るく、小さな望遠鏡でも見ることができます。また、天文台などで大(おお)型(がた)望遠鏡をのぞく機会があれば、レアなどタイタン以外の衛星もいくつか分かるかもしれません。土星を望遠鏡で見るときには、環だけでなく、衛星にも注目してみましょう。
(島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(たけうちみきまさ))
=隔週掲載(かくしゅうけいさい)=