『たのしいローマ数字』(左)ほか
『たのしいローマ数字』(左)ほか

 今日は、12月3日。数字が1、2、3と並(なら)びます。日本では数を書くとき、このようなアラビア数字や、一、二、三のような漢数字がよく使われています。

 さて、時計の文字盤(もじばん)などで、数字が1、2、3と書かれているのを見たことはありませんか? このような数字は「ローマ数字」といいます。4は4、5は5、6は6と表します。どんな仕組みなんでしょう。『たのしいローマ数字』(デビッド・A・アドラー・著(ちょ)、光村教育図書(みつむらきょういくとしょ))ではその仕組みを学ぶことができます。アラビア数字では0から9までの10の数字が使われますが、ローマ数字ではI、5、X、L、C、D、Mの7個(こ)の文字が使われます。99は、「XCIX」と書くようですよ。興味(きょうみ)を持った人はぜひ読んでみてください。

 『ウラパン・オコサ』(谷川晃一(たにかわこういち)・著、童心社(どうしんしゃ))では、1と2で数遊び。1はウラパン、2はオコサ。数が増(ふ)えたらオコサを先に数えて残りはウラパンにします。3はオコサ・ウラパン。5はどうなるでしょうか。ちょっと不思議な数え方。絵を見ながら数えてみてくださいね。

 次に紹介(しょうかい)する本は、算数のむかしばなし『1つぶのおこめ』(デミ・作、光村教育図書)です。インドのある地方の王様は、米がとれない年に備(そな)えて、人々から米を集めて米ぐらにしまっていました。天気が悪く稲(いね)がうまく育たなかった年、食べる米のない人々に、しまってあった米を分けるよう大臣(だいじん)に言われますが、なかなか分けようとしません。そんな時、王様からほうびをもらうことになった、村むすめのラーニ。言葉たくみにケチな王様から、30日の間、前の日の倍の数だけお米をもらえるよう約束します。1日目は1つぶ、2日目は2つぶ、3日目は4つぶ…。30日目にはなんつぶになるでしょうか。そして1日目から30日目までにもらったお米を合計すると、なんつぶになったのでしょう。

 算数や数学が苦手(にがて)だと感じている人もいると思います。義務(ぎむ)教育から数学がなくなった、空想の世界を舞台(ぶたい)にしたお話が『浜村渚(はまむらなぎさ)の計算ノート1』(青柳碧人(あおやぎあいと)作、講談社(こうだんしゃ))です。小中学校の義務教育で、「心を伸(の)ばす教科」に力を入れた結果、理(り)系(けい)科目が減(へ)り内容(ないよう)も少なくなります。

 そこへ「義務教育における数学の地位を向上させること」を目的としたテロ活動が起きて…というトンデモないお話です。物語の中では、どんな地図でも4色あれば、となり合う国が同じ色にならないようぬり分けられるという「4色問題」や、1、2、3、5、8、13…と前の二つの数字を足した数が次の数になるという「フィボナッチ数列」などが取り上げられ、事件(じけん)の鍵(かぎ)をにぎります。

 身近な数や数字に目を向けて、学校の授業(じゅぎょう)とはひと味ちがった数の学問にふれてみませんか?

 (麻田夕子(あさだゆうこ)・琴浦(ことうら)町図書館司書)