7年前のクリスマスイブ。当時、プロ野球日本ハムの監督だった栗山英樹さんのもとに球団の広報担当者からメールが送られてきた。「監督、クリスマスプレゼントです。監督が一番喜ぶ映像です」。
添付されていたのは入団4年目の大谷翔平選手が夜間練習している動画だった。チームはこの年、10年ぶりに日本一を達成。当時22歳だった投打の二刀流もチームを引っ張った。それでも翌年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見据え、オフ返上で自主練習していた。
「クリスマスイブに彼がやりたいことは野球がうまくなることだった。それこそ価値観。そこを育ててあげなくてはいけない」。指揮官は当時の思いを、講演でこう振り返っていた。
そんな練習の虫が野球の普及を願って、日本国内約2万の全小学校にグラブを3個ずつ寄贈する。配達日は今月25日から来年3月20日までの間で選べるが、島根県内ではクリスマスを希望する市町教育委員会もあるという。実現すれば、「大谷サンタ」からのクリスマスプレゼントに。何とも粋な計らいだ。
今夜はクリスマスイブ。6年間在籍したエンゼルスを離れた世界の二刀流は、新天地ドジャースでの活躍を期して7年前と同様に練習に励むのだろうか。あるいは自宅のソファで愛犬「デコピン」と過ごすのだろうか。来季、ワールドシリーズを制する姿を夢見て、メリークリスマス。(健)