高校時代の同級生に女子プロゴルファーがいる。鳥取県湯梨浜町出身の石原端子(まさこ)さん(59)。高校2年時に全国高校総体の陸上砲丸投げで2位に入り、大学時代も陸上一筋だった。
プロゴルファーを志したのが22歳。1987年の全米女子オープンで岡本綾子さんがプレーオフの末、優勝を逃した姿をテレビで見たのがきっかけだ。特定のコーチを付けず独自に練習。プロテスト合格まで6年を要した。それでも98年のフジサンケイ・レディースで優勝。下積みの苦労を聞いていただけに、わがことのように喜んだ。
プロテスト合格後に一度だけ取材した。今も忘れられないのが「プロは実力の世界。たとえ白いものでも、(実力が)上の人が黒と言えば黒になってしまう」という言葉。成績が全てのプロの世界の厳しさを痛感した。
群雄割拠のゴルフ界でどんなニューヒロインが誕生するのか-。若手選手らに試合経験を積ませる日本女子プロゴルフ協会主催のステップアップツアー「山陰ご縁むす美レディース」がきょう、鳥取県伯耆町の大山平原ゴルフクラブで開幕する。この大会での優勝を機に世界へ羽ばたいた選手もいる。
腰椎間板ヘルニアで一線を退き、現在は沖縄大でスポーツ心理学を教える石原さんは、選手生活を支えたのは「やればできる、と自分を信じる力だった」と振り返る。大山に集う選手たちも、自らの力を信じてプレーしてほしい。(健)













