南の空に見えるさそり座=6月22日、出(いず)雲(も)市の神西(じんざい)湖(こ)で撮影(さつえい)
南の空に見えるさそり座=6月22日、出(いず)雲(も)市の神西(じんざい)湖(こ)で撮影(さつえい)

夏が見ごろ、見つけやすい星座

 今の時季は日が長いので、山陰(さんいん)地方では午後8時でも空は薄(うす)明るく、星がよく見える暗い空になるのは9時ごろです。そのころ南を見ると、低いところに明るく赤っぽい星が出ています。アンタレスといいます。なお、今年は南東の空低くにも、とびきり明るい星が出ていて、もしかしたら見(み)間(ま)違(ちが)えそうになるかもしれませんが、そちらは木星(もくせい)です。

 アンタレスを見つけたら、それを通る釣(つ)り針(ばり)のような星の並(なら)びをたどってください。釣り針の先は毒(どく)を持つサソリの針でもあります。そう、これがさそり座(ざ)です。

 さそり座は星占(うらな)いなどで使う誕生(たんじょう)星座の一つですから名前はよく知られていますし、形も分かりやすく目立ちます。夏を代表する星座といってよいでしょう。

 山陰から見ると、さそり座のしっぽの星々から地平線までは、ほんのわずかしかありません。そのため南に高い山などがあれば、しっぽがかくれてしまいます。

 このように南の空低くに見える星座は、長い期間夜空に留(とど)まることはありません。北の空の北極星(ほっきょくせい)に近い星座がどの季節にも出ているのとは逆(ぎゃく)なのです。さそり座がよく見えるのはせいぜい9月いっぱいで、10月にもなれば空が暗くなったころには、南西の地平線に沈(しず)んでいきます。

 さそり座とともに夏の星空の目印といわれる「夏の大(だい)三角(さんかく)」が秋でもよく見えるのに対し、さそり座はまさに夏が見ごろの星座です。また、低いところにある星座だからこそ、外に出て空を仰(あお)ぎ見なくても、南の窓(まど)を開けただけで目に入るという親しみやすさもあります。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)