てんびん座の位置=5月3日、大田市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)
てんびん座の位置=5月3日、大田市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)

逆「く」の字の形に並ぶ

 おうし座(ざ)やしし座など、12個(こ)ある誕生(たんじょう)星座は、どれも名前がよく知られています。それらは太陽の通り道に並(なら)んでいるという意味で特別な存在(そんざい)なのですが、必ずしも分かりやすい星座ばかりではありません。

 そんな12星座の一つ、てんびん座も、どちらかといえば目立たない星座です。しかし、両どなりの星座の星を手がかりにすれば、いくぶん簡単(かんたん)に探(さが)すことができます。

 この時季の午後9時ごろ、南の空には青白く光る星が見えます。おとめ座のスピカといいます。南東の空低くには赤い星が出ていて、こちらはさそり座のアンタレスです。その二つの明るい星の間に、ひらがなの「く」の字を裏(うら)返した形に並んだ星が、てんびん座です。

 古代ギリシャでは、そこはさそり座の一部でしたが、後の古代ローマの時代に、さそり座から切り離(はな)され、てんびん座になりました。そして、このてんびんは、おとめ座として描(えが)かれている女神(めがみ)様の持ち物とみなされるようになりました。

 てんびん座の一番上の星は、ズベンエスカマリ、逆(ぎゃく)「く」の字の折れ曲がったところにある星は、ズベンエルゲヌビという長い名前が付いています。それぞれの意味は、「北のつめ」、「南のつめ」で、大きなはさみを持つさそり座の一部分だったころの名残(なごり)をとどめています。

 ちなみに、ズベンエルゲヌビは、そのすぐ近くに暗い星が寄(よ)り添(そ)う二重星です。小さな双眼鏡(そうがんきょう)でもよく見えますよ。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)