夏休みが終わり、久(ひさ)しぶりの学校生活にお疲(つか)れ気味の人もいるかもしれませんね。今回は詩に関係する本を紹介(しょうかい)しますよ。
授業(じゅぎょう)や宿題で詩を作るときになかなか思いつかず、困(こま)ったことはありませんか?『とっておきの詩』(村上(むらかみ)しいこ・作、PHP研究所)の主人公のつよしも冬休みに詩を作る宿題を出され、苦戦(くせん)していました。
冬休みも残り3日に迫(せま)り、なんとか完成した詩はお母さんに怒(おこ)られてボツに。その後もなかなかいい詩が作れず、とうとう最終日。黒い雲がわれて日が差してきたときに見えた暖(あたた)かそうな青空を見て、やっといい詩を思いつきました。
そして新学期が始まり、完成したクラスメートの詩を集めた文集を見てびっくり! つよしとみさきの詩がそっくりで、あの日あの青空を見て、同じようなことを思っていたことが分かったのです。
そして、学校の帰り道でみさきに他の詩も読ませてほしいとお願いされたつよしは、家に帰ってからボツにした詩を書き直し、最後に「とっておきの詩」を作りました。なぜとっておきなのかは最後まで読むと分かりますよ。
『詩ってなあに?』(ミーシャ・アーチャー・作、BL出版(しゅっぱん))の主人公ダニエルは、公園で詩の発表会のポスターを見つけます。それを見て「詩ってなんだろう?」と思ったダニエルは、仲良しの生き物たちに詩について聞いてみました。
クモからは「あさつゆのきらめき」、ハイイロリスからは「落ち葉のかさこそと鳴る音」、カメからは「お日様であたためられた砂(すな)」と、みんなからそれぞれが思う「詩」を教えてもらったダニエルは、自分の詩について考え始めます。さて、ダニエルはどんな自分の詩を見つけるのでしょうか?
もっと詩について知りたい人におすすめの『詩をつくろう (1)見たこと、感じたことを詩にしよう』(和合(わごう)亮一(りょういち)・監修(かんしゅう)、汐文社(ちょうぶんしゃ))には、詩の楽しみ方と書き方のヒントがたくさん紹介されています。まど・みちおさんや谷川(たにかわ)俊太郎(しゅんたろう)さんなどの有名な詩や、声に出して読むと言葉の響(ひび)きやリズムが楽しい詩なども載(の)っていますよ。
『こころのねっこ』(読売(よみうり)新聞生活部・監修、中央公論新社(ちゅうおうこうろんしんしゃ))は2017年から2021年の間にこどもたちが書いた詩が220編(ぺん)収(おさ)められた作品集です。家族や部活、お年玉など、子どもたちにとって身近なものを題材にした詩に、思わずくすっとしたり、はっとさせられたりします。気持ちのこもった詩や言葉には、読んだ人の心を動かす力があるのかもしれませんね。
本には物語の他にもいろいろな種類があります。時には詩の本にも触(ふ)れてみてくださいね。そのときのあなたに寄(よ)り添(そ)ってくれる詩がきっと見つかるはずです。
(古川(ふるかわ)愛生(あおい)・松江(まつえ)市立大庭(おおば)小学校 学校司書)