朝の西空に見えた、満月から4日後の月=11月2日、大田(おおだ)市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)
朝の西空に見えた、満月から4日後の月=11月2日、大田(おおだ)市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)

 太陽は、昼に空に出ていて、夜には沈(しず)んでしまって見えません。これは当たり前のことですね。では、月はどうでしょう。夜に見えるものというイメージがあるかもしれませんが、実際(じっさい)にはそうとも限(かぎ)りません。

 例えば、明日11月27日は満月です。満月は夕方に東から昇(のぼ)ってきて、翌(よく)朝(あさ)西に沈むまで一(ひと)晩(ばん)中(じゅう)空に見えています。ところが月は、日に日に形が変化するとともに、昇る時刻(じこく)も遅(おそ)くなっていきます。

 満月から4日後の12月1日の場合、月は少し欠けて卵(たまご)形になります。その月が出てくるのは、山陰(さんいん)地方だと午後8時台です。さらに4日後の5日だと、真夜中になってやっと半月が昇ってきます。ですからこのころには、8時や9時に夜空を眺(なが)めても月は見つからず、月の出を待つには夜ふかしをしなければなりません。

 しかし、昇る時刻が遅いということは、その分、沈む時刻も遅くなるということです。満月を過(す)ぎてからの月は、朝になってもまだ空に出ているのです。満月の後、12月7日ぐらいまでは、学校に出かけるときにでも、月を探(さが)してみてください。

 もっとも、おすすめは登校より早い午前6時台です。日の出前の空はいくぶん暗く、月が輝(かがや)いています。冬の初めの澄(す)んだ空気の中、簡単(かんたん)に見つかることでしょう。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(たけうちみきまさ))

  =隔週掲載(かくしゅうけいさい)=