島根県奥出雲町に伝わる方言をまとめた『これぞ奥出雲言葉100選』を地元住民や方言研究者らでつくる奥出雲弁研究会(安部悟会長)が発刊した。観光客や住民同士で楽しんでもらいたいと、活用を呼びかけている。
2022年11月に同会が出した『ほんねぇ がいにおもっせぇ~! 奥出雲ことば』に続く第2弾。メンバーが幼少期によく使っていた言葉などを選び、「トップテン」をイラスト付きで紹介した。残りはあいうえお順に並べて掲載。それぞれ意味や語源を示した。
トップテン入りしたのは主に旧仁多町でよく使われる「ふぁー」など。「(雨が)降る」の意味で、日常会話で使ってもらえるように「明日は雨がふぁーかもしれんがね」と、例文を付けた。
このほか、駆けっこを意味する「とんこう」なども幼少期によく使った言葉という。研究会事務局長の宇田川和義・奥出雲多根自然博物館長(76)は「方言には奥出雲の風土を感じさせる温かみがある。方言を通して、奥出雲に親しみを持ってもらえたらうれしい」と話した。
A5判29ページ。千部を制作し、希望者には税込み500円で販売する。問い合わせは同博物館、電話0854(54)0003。(福間崇広)