Q.変声期、いつ終わる?


 中学2年の息子は変声期に入って半年ほどたちますが、高い声も低い声も混ざっています。完全に切り替わるには、どれくらい時間がかかるものでしょうか。

YUBI先生の回答

 

 男の子の「変声期」いわゆる「声変わり」は、小学校高学年から中学校で始まります。短い人で3カ月、長い人では1年くらいかかることもあります。 この間は声が出しづらかったり、声が裏返ったり、発声はとても不安定になります。喉仏が前方に出てきて目立つようになりますが、この喉仏が音声器官として完全に安定するのには3~4年かかるといわれています。

変声期は声も心も不安定。周りの大人は温かく見守ろう(YUBI先生提供)

 変声期はカラオケや音楽の授業で少し恥ずかしい思いをすることがあるかもしれません。ただ、無理に声を出すと、喉を痛めてしまうこともあるので、「本格的に歌を楽しむのは高校生になってから」くらいに心構えをしておけば、ちょうどいいと思います。

 今、中学1年の長男が声変わりまっただ中で、声がぼそぼそしていて聞き取りづらいことがあります。そんな長男に対して、家族としては温かく見守ろうと思っています。私自身は中学生で声変わりをしたときに「声が出ていない」「音程が変」などと言われ、ちょっぴり傷ついた経験があります。

 声変わりの時期は小児から成人への脱皮に対して、心理的な抵抗を抱えているといわれています。声だけではなく、心も不安定になるため、大人の配慮、周りの支えがとても大事な時期だと思います。変声期が過ぎても、無理な声の出し方をしていたり、何かしらの違和感があったりする場合は、耳鼻咽喉科を受診し、発声訓練などを受けることもご検討ください。

ドクター・ユビさん プロフィル
 米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。