へび座の領域(りょういき)(緑色の線)=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図を元に作成
へび座の領域(りょういき)(緑色の線)=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図を元に作成

へびつかい座により分断

 夏の星座(せいざ)に、へび座があります。へび座は変わった星座で、頭の部分と、そこから離(はな)れたしっぽの部分の二つに分かれています。星座は全部で88ありますが、このように「飛び地」になっている星座はへび座だけです。どうしてそうなったのでしょうか。

 はるか昔の人々は、さそり座の上あたりに見えている星々をつないで、太く長いヘビをつかんだ人を描(えが)きました。へびつかい座です。

 大きなへびつかい座のうち、ヘビにあたる部分は別の星座として扱(あつか)われることもありました。それがへび座で、今の星座の元となる星座が記された2世紀(せいき)の本にも名前が出ています。それでも二つの星座は、人とヘビの絵として一体で描かれ続けました。

 20世紀に入ると、すべての星の所属(しょぞく)する星座をはっきりさせるため、星座と星座の境界線(きょうかいせん)が決められました。このとき、星座同士(どうし)の重なりは認(みと)められず、へびつかい座とへび座では、人の胴体(どうたい)とヘビの胴体の重なり合う部分が、へびつかい座のものになりました。こうして、へび座は頭と尾に分断(ぶんだん)されたのです。

 そんな珍(めずら)しい星座、へび座を見てみましょう。あまり明るい星はないので、月の出ていない夜に、図を参考(さんこう)にして、南の空のさそり座から探(さが)してください。

 なお、図では星を結ぶ線が星座の境界線から一部はみ出していますが、星座の線の引き方には決まりがなく問題ありません。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)