いまどき島根の歴史◆345◇ 宇波の鋳物師 生活必需品の生産担う <目次謙一> 山陰 2025/4/8 04:00 鋳物は、あらかじめ用意した型に溶けた金属を流し込んで作ったものです。身の回りでは、炊飯器の釜に鋳物が多く使われています。昭和以前の古い台所のカマドで、鉄製鋳物の釜(かま)や鍋が使...
いまどき島根の歴史◆344◇ 虚偽報告で罰せられた出雲守 朝廷揺るがす一大事に 〈吉永壮志〉 山陰 2025/4/1 04:00 本日4月1日はエープリルフール。この日はうそをついてもよいとされ、皆さんもうそをついたり、つかれたりした経験があるのではないでしょうか。ただ、当然のことながらうそをつくと悪い結果...
いまどき島根の歴史◆343◇ 〈橋本剛〉「東西南北」の交通路 総距離記載し全体像把握 山陰 2025/3/25 04:00 「出雲国風土記」を読まれたことがある方は、緻密な交通路の記載に驚いたのではないでしょうか。実は私もその一人です。出雲国を東西に貫く「正西道」をはじめ、宍道湖の北岸を横断する「枉北...
いまどき島根の歴史◆342◇ 象嵌の技法 剣、刀の装具に用いられる <吉松優希> 山陰 2025/3/18 04:00 皆さんは「象嵌(ぞうがん)」という技法をご存じでしょうか。銅・鉄などの面に模様を刻んで金や銀、貝などをはめこむことで、その細工や技法のことをいいます。現在も工芸品などで用いられる...
いまどき島根の歴史◆341◇ 荒川亀斎の蛇頭 「復元新調」で次世代へ 〈石山 祥子〉 山陰 2025/3/11 04:00 荒川亀斎(あらかわきさい)(1827~1906年)という彫刻家をご存じでしょうか。亀斎は現在の松江市で生まれ、80歳で亡くなるまで彫刻や金工、絵画などさまざまな分野で才能を発揮し...
いまどき島根の歴史◆340◇ 馬見烽はどこにあったか 杵築から日御碕あたりか <平石 充> 山陰 2025/3/4 04:00 奈良時代に編さんされた『出雲国風土記』(以下『風土記』)には、他の文献には残されていない、この書のみに具体的な記載のあるものがいくつかあります。その一つが烽(とぶひ)です。烽はい...
いまどき島根の歴史◆339◇ 幕末長州藩の政治宣伝 正当性を主張、勝因の一つか <矢野 健太郎> 山陰 2025/2/25 04:00 ここに1点の古文書があります。この古文書は江津市桜江町の中村家に伝来したものです。表紙中央には「芸石江越境趣意」と表題が記されており、右側には「于時慶応二寅十月写置 庄屋久左衛門...
いまどき島根の歴史◆338◇ 脇殿の役割 硯出土、文書扱う仕事場か 〈吉松 優希〉 山陰 2025/2/18 04:00 史跡出雲国府跡は、松江市大草町にある奈良時代の官衙(かんが)遺跡です。当時は、現在の島根県庁や松江市役所、県警本部などが立地する殿町周辺のように官庁街を形成していました。 そのう...
いまどき島根の歴史◆337◇ 弥生社会の多様な墳丘形態 規模で首長間の格差表す 〈今福 拓哉〉 山陰 2025/2/4 04:00 島根県域の弥生時代の墓の代表格として四隅突出型墳丘墓があります。墳丘を持つ墓である墳丘墓の四隅角が突出した形の墓で、形態的に非常に特徴的な形となっています。弥生時代後期以降に山陰...
いまどき島根の歴史◆336◇ 明治時代、陸軍省所轄の松江城 民有地整理進まず公売決定〈土橋由奈〉 山陰 2025/1/28 04:00 1873(明治6)年1月14日に明治政府から出された「全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方」、いわゆる廃(はい)城令(じょうれい)により全国の近世(きんせい)城郭(じょうかく)は「...
いまどき島根の歴史◆335◇ 隠岐の流人・平致頼 幻の暗殺計画に関与? 武勇に優れ、実行役うわさ〈吉永壮志〉 山陰 2025/1/21 04:00 隠岐に流された歴史上の人物といえば、後鳥羽(ごとば)上皇や後醍醐(ごだいご)天皇、小野篁(おののたかむら)が真っ先に思い浮かびますが、その中に平致頼(たいらのむねより)という者が...
いまどき島根の歴史◆334◇ 出雲神楽特徴「子どもの舞」 流行芸能の影響受け定着 〈石山祥子〉 山陰 2025/1/14 04:00 主に島根県東部に伝わる出雲神楽の特徴の一つとして、「子どもが舞うこと」が挙げられます。今から250年以上前、18世紀中頃の史料には、幼い子どもが神楽を舞ったという記述があり、今日...
いまどき島根の歴史◆333◇ 新年を寿(ことほぐ)石見焼 正月料理、引き立てたか 〈間野 大丞〉 山陰 2025/1/7 04:00 あけましておめでとうございます。本年も、「いまどき島根の歴史」をどうぞよろしくお願いいたします。 さて、今年初めてのコラムは、松の内にふさわしい、おめでたいテーマでお届けします。...
いまどき島根の歴史◆332◇ 文字をもつ伝承者の記録 直筆から伝わる継続力 〈榊原 博英〉 山陰 2024/12/17 04:00 先日、邑南町郷土館を訪れた際に、著名な民俗学者の宮本常一が『忘れられた日本人』の中で「文字をもつ伝承者」として紹介した、田中梅治の記録類が企画展「温故知新-未来に伝えたい-令和の...
いまどき島根の歴史◆331◇ 境目の城で続いた領主間の対立 うなずける緊迫状態の持続 〈目次 謙一〉 山陰 2024/12/10 04:00 11月16日に益田市で開催された第31回全国山城サミット益田大会は、益田氏ゆかりの七尾(ななお)城(益田市)が基調講演・対談で取り上げられ、大いに盛り上がりました。 七尾城の位置...
いまどき島根の歴史◆330◇ 国堺の関所、どちらの国に 皇族の反乱防ぐ役割も〈平石充〉 山陰 2024/12/3 04:00 旧国名として現在に残る出雲・石見・隠岐の行政区分は、奈良時代に完成しました。この旧国は今の県とは異なり、旧国堺(くにざかい)を越えての人の出入りを管理していました。奈良時代の地方...
いまどき島根の歴史◆329◇ 聖武天皇の即位と「出雲国風土記」 郡司職巡る争い伝える 〈橋本 剛〉 山陰 2024/11/26 04:00 今からちょうど1300年前の724年、元正(げんしょう)天皇の譲位をうけて、皇太子・首皇子(おびとのみこ)が即位しました。ご存じ、聖武天皇です。即位にあたり詔(みことのり)を発し...
いまどき島根の歴史◆328◇ 僧を目指した出雲人 推薦書に残る修行の記録 <野々村安浩> 山陰 2024/11/19 04:00 写真では、出雲平野の特徴である築地松(ついじまつ)の家が見えます。県道161号斐川出雲大社線と同275号十六島(うっぷるい)直江停車線の交差点、このあたりは出雲市斐川町直江の漆治...
いまどき島根の歴史◆327◇ 銀が世界を丸くした 「石見銀山」国際通貨で役割 〈矢野 健太郎〉 山陰 2024/11/12 04:00 今回は、初めに1枚のコインの画像を見てもらいたいと思います。このコインは、スペインの8レアル銀貨です。銀貨の表面にはスペイン国王のカルロス4世(在位1788~1808年)の肖像と...
いまどき島根の歴史◆326◇ 石見銀山と佐渡金銀山 歴史的に深いつながり〈倉恒 康一〉 山陰 2024/11/5 04:00 今年7月、江戸時代に日本有数の金銀山として栄えた佐渡(さど)金銀山(きんぎんざん)が、「佐渡島(さど)の金山」として世界文化遺産に登録されました。世界各地の鉱山で機械化が進んだ1...