いまどき島根の歴史◆325◇ 淀原焼 あらたなステージ 暮らしの現場から資料へ 〈間野 大丞〉 山陰 2024/10/29 04:00 「現役引退」。秋から冬にかけて、スポーツをはじめ各界から、この言葉が聞こえてきます。私たちは、悲喜こもごもの人間模様に触れるたび、心からの敬意を示すとともに、あらたなステージでの...
いまどき島根の歴史◆324◇ 弥生時代の「墳丘墓」 時期ごとに役割に差異〈今福拓哉〉 山陰 2024/10/22 04:00 古墳時代には墳丘を持つ墓の「古墳」があるように、弥生時代にも墳丘を持つ墓の「墳丘墓」があることをご存じでしょうか。「墳丘」という言葉が含まれていることから、土を盛り、マウンド状の...
いまどき島根の歴史◆323◇ 新紙幣のデザインと駅舎 重文旧大社駅、和風の外観 〈吉永壮志〉 山陰 2024/10/8 04:00 7月3日に新しい千円札、5千円札、1万円札が発行され、はや3カ月となりました。皆さんは実物をもう目にしたでしょうか。20年ぶりの新紙幣で、それぞれペスト菌を発見した微生物学者の北...
いまどき島根の歴史◆322◇ 海城で軍船から浦守る かつては軍事状況緊迫 〈目次謙一〉 山陰 2024/10/1 04:00 島根半島東部の日本海側では海岸線が入り組んでいて、あちこちにある浦では豊かな自然を満喫できます。時間を忘れて穏やかに過ごせる場所ですが、尼子(あまご)氏と毛利(もうり)氏が争った...
いまどき島根の歴史◆321◇ 出雲神楽の取次業者 奉納芸能 定着のアシスト役 〈石山 祥子〉 山陰 2024/9/24 04:00 今年も秋祭りのシーズンを迎えました。島根県内、特に出雲・石見地方では代表的な秋祭りの奉納芸能として「神楽」を思い浮かべる方も多いでしょう。今日の神楽は、神社の氏子や地域住民などで...
いまどき島根の歴史◆320◇ 装飾付大刀の意味 地域や王権との関係示す 〈吉松 優希〉 山陰 2024/9/17 04:00 古墳時代後期に古墳に副葬されるものの一つに装飾付大刀(たち)があります。これは金や銀で飾った装具を持った大刀で、古墳時代の中枢である畿内王権で製作され、各地に配布されたと考えられ...
いまどき島根の歴史◆319◇ 石見国司と上級貴族 良好な関係出世に不可欠 〈橋本剛〉 山陰 2024/9/3 04:00 大河ドラマ「光る君へ」は、一条天皇のきさきに仕えた紫式部(むらさきしきぶ)が主人公ですが、彼女の父・藤原為時(ふじわらのためとき)は地方を治める国司としても活躍したことで知られて...
いまどき島根の歴史◆318◇ 幕末を生きたある僧の選択 「長安寺」改め「豊栄神社」に 〈矢野健太郎〉 山陰 2024/8/27 04:00 まだまだ暑い日が続いていますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ここで一服。冬景色の神社の写真をご覧ください。少しは暑さも緩和されたでしょうか。 石見銀山にある写真の神社は、明...
いまどき島根の歴史◆317◇ 写本の文字改変で起こる問題 奈良時代 出雲に鯉いたか?〈平石 充〉 山陰 2024/8/20 04:00 奈良時代の出雲の姿を今に伝える『出雲国風土記』(以下『風土記』)。島根県古代文化センターでは昨年『出雲国風土記 校訂・注釈編』という解説書を刊行しました。この本の特色は、とにかく...
いまどき島根の歴史◆316◇ 学生服の陶製ボタン 戦争の記憶刻む小さな資料 〈間野大丞〉 山陰 2024/8/13 04:00 「戦時中に学生服のボタンを作っていましたよ」 袖師(そでし)窯(松江市袖師町)の尾野友彦さんが手のひらにのせて、小さなボタンを見せてくれました。それは4年前、初夏の日、この窯元へ...
いまどき島根の歴史◆315◇ 島根近海のニホンアシカ 骨出土 縄文時代から生息? 〈今福 拓哉〉 山陰 2024/8/6 04:00 島根大学所蔵のニホンアシカ剥製標本が、2024(令和6)年2月2日に島根県指定天然記念物に指定されました。ニホンアシカは日本産鰭(き)脚(きゃく)類(るい)8種の中で最も南に分布...
いまどき島根の歴史◆314◇ 安土桃山時代の焼き物・唐津焼 多様な器種あることで重宝 〈廣江 耕史〉 山陰 2024/7/30 04:00 山陰地方では昭和末年ごろまで、焼き物のことを「からつ」ないし「からつもの」と呼んでいました。「からつ」は佐賀県唐津市を指しており、同市が生産と積み出し港の中心であった焼き物が「唐...
いまどき島根の歴史◆313◇ 弥生時代の金床石 中央が変色、鉄器製作の跡 〈吉松 優希〉 山陰 2024/7/23 04:00 皆さんはこの石(写真1)は何に使用したものと思いますか。この石は雲南市木次町にある北原本郷遺跡の竪穴建物から出土した幅12~16センチほどの平たい石です。弥生時代後期ごろのものと...
いまどき島根の歴史◆312◇ 近代島根の鋳物業 産業発展前提 生産栄える 〈土橋 由奈〉 山陰 2024/7/9 04:00 島根県古代文化センターで、現在行っている研究の一つ「鋳物と鋳物師(いもじ)の研究」では、島根県内の鋳物業について通史的に研究を進めています。今回は明治-大正期の松江を中心に、研究...
いまどき島根の歴史◆311◇ 朝廷へ上納された石見銀山の銀 国内外へ拡大し交流展開 〈目次謙一〉 山陰 2024/7/2 04:00 2007(平成19)年7月2日、世界遺産に登録された石見銀山遺跡。その価値の一つとして、16~17世紀初頭の大航海時代に大量の産銀を広く流通させ、世界の経済や文化の交流に大きな影...
いまどき島根の歴史◆310◇ 民俗芸能の維持 社会に合わせ変化、継承 〈石山 祥子〉 山陰 2024/6/25 04:00 日本各地には、神楽や盆踊りのように、決まった日時や機会に、社寺の祭りや法事などで上演される芸能があります。このような芸能は「民俗芸能」と呼ばれ、それを職業としない一般の人びとが担...
いまどき島根の歴史◆309◇ 明治5年浜田地震石碑 災害の記憶と教訓 現代に 〈榊原博英〉 山陰 2024/6/18 04:00 過去の災害を今に伝える「自然災害伝承碑」の地図が、国土地理院のホームページで公開されており、島根県には31の碑があります。県内の石碑は洪水、豪雨によるものが多く、唯一地震に関する...
いまどき島根の歴史◆308◇ 清少納言記した? 「たまつくりの湯」 都でも広く知れわたる 〈吉永壮志〉 山陰 2024/6/11 04:00 『源氏物語(げんじものがたり)』の作者として知られる紫式部(むらさきしきぶ)の生涯を描く大河ドラマ「光る君へ」。主人公・紫式部のライバルといえば、真っ先に清少納言(せいしょうなご...
いまどき島根の歴史◆307◇ 出雲国造家 由緒の地か あせり池と止屋淵 〈平石 充〉 山陰 2024/6/4 04:00 歴史を考える上で、その当時の地形を復元する必要のある地域もあります。出雲市の平野部もその一つで、奈良時代に書かれた『出雲国風土記』(以下『風土記』)によれば、西側に神門(かんどの...
いまどき島根の歴史◆306◇ 島根と島原・天草一揆 亀井氏に戦況伝える書状 〈矢野健太郎〉 山陰 2024/5/28 04:00 皆さんは、1637(寛永14)年から翌年にかけて島原と天草の農民やキリスト教徒たちが起こした大規模な百姓一揆について「島原の乱」と習いましたか? それとも「島原・天草一揆」と習い...