いまどき島根の歴史◆305◇ 諸国印 704年鋳造され配布 書類に印を押す 〈野々村 安浩〉 山陰 2024/5/21 04:00 新型コロナの感染流行のころから、近年、国や地方自治体、企業間で事務の効率化の一環として、いろいろな手続きにオンライン化が図られるようになりました。その一つとして書類への押印の省略...
いまどき島根の歴史◆304◇ 急峻な山道避け山陽道経由 配流地・隠岐への道 〈橋本 剛〉 山陰 2024/5/14 04:00 島根県立古代出雲歴史博物館(出雲市大社町杵築東)では19日(日)まで、企画展「誕生、隠岐国」を開催中です。「政治の「敗者」と文化の「勝者」」と題したエピローグでは、政治的な「敗者...
いまどき島根の歴史◆303◇ 広い視界で敵の動向把握 松江 和久羅城と軍船の連携 〈目次 謙一〉 山陰 2024/5/7 04:00 現在の社会ではドローンが広く使われています。例えば、映画やテレビ番組では、ドローンによる上空から俯瞰(ふかん)した迫力たっぷりの映像が流れ、私たちを楽しませています。 戦国時代、...
いまどき島根の歴史◆302◇ 場の厄祓いの働き期待 梅の楉(すわえ)の話 〈石山 祥子〉 山陰 2024/4/30 04:00 今回は梅の「楉(すわえ)」がテーマです。見慣れない字だと思いますが、若木の小枝を意味する言葉で、「しもと」とも読みます。梅の楉は、各地の祭りや神事の中でしばしば用いられています。...
いまどき島根の歴史◆301◇ 出雲の前方後方墳 社会の一端 垣間見える 〈吉松 優希〉 山陰 2024/4/16 04:00 皆さんは、水戸黄門として知られる徳川光圀(みつくに)が、世界最古の考古学的な発掘調査を行ったことをご存じでしょうか。1692(元禄5)年に栃木県大田原市の上・下侍塚古墳の発掘調査を行っています。この上・下侍塚古墳は、古墳時代前期の前方後方墳です。前方後方墳といえば、島根の方は山代二子塚古墳(松江市山代町)を想像される方も多いのではないでしょうか。 前方後方墳の名前も1925年に刊行された『島根縣史』の中で、
いまどき島根の歴史◆300◇ 五節舞と出雲 儀式運営巡り駆け引き 〈橋本 剛〉 山陰 2024/4/9 04:00 平安時代の宮廷社会が舞台の大河ドラマ「光る君へ」。大迫力の合戦シーンはおそらく期待できませんが、藤原氏を中心に、権力を巡って渦巻く人間模様が描かれています。物語は主人公まひろ(紫...
いまどき島根の歴史◆299◇ 津和野藩主 酒井出羽守 大坂の陣 功績で改姓か〈矢野 健太郎〉 山陰 2024/4/2 04:00 津和野藩主というと亀井家を思い浮かべる方が、多いのではないかと思います。しかし、江戸時代最初の藩主は「坂崎(さかざき)出羽守(でわのかみ)直盛(なおもり)」です。直盛は宇喜多家の...
いまどき島根の歴史 ◆298◇ 古代からの名所・嫁ケ島 現代以上に優れた景観〈平石 充〉 山陰 2024/3/26 04:00 松江市袖師(そでし)町の沖にある嫁ケ島は夕日の名所であり、晴れた日には撮影スポットのとるぱが見物の人でにぎわいます。この景勝地について、出雲国風土記はどのように記しているのでしょ...
いまどき島根の歴史 ◆297◇ 埴輪からみた6世紀の出雲 東西の政治勢力が連携〈池淵俊一〉 山陰 2024/3/12 04:00 6世紀後半になると、出雲地域では東の松江・安来平野周辺と、出雲平野とでは古墳のあり方に大きな違いが見られるようになります。具体的には、東部では首長墓として前方後方墳や方墳が採用さ...
いまどき島根の歴史◆296◇ 戦国時代の陣城 戦いの痕跡 直接残す 〈田村 亨〉 山陰 2024/3/5 04:00 最近、テレビや新聞などで「城」に注目した特集を度々見かけるようになりました。しかも、天守閣や巨大な石垣などを有する松江城のような近世城郭(じょうかく)だけでなく、山の中にひっそり...
いまどき島根の歴史◆295◇ 島根半島沿岸の漁撈用具 暮らしの知恵、技術反映 〈浅沼 政誌〉 山陰 2024/2/27 04:00 このたび、国の文化審議会において、松江市所有の「島根半島沿岸及び宍道湖・中海の漁撈(ぎょろう)用具」1598点が、保存・活用の措置が特に必要な登録有形民俗文化財とするよう答申され...
いまどき島根の歴史◆294◇ 八幡町に埋もれた中世の港 木杭や土器が存在証明 〈廣江 耕史〉 山陰 2024/2/20 04:00 遺跡は地下にあるため、ある日突然、加茂岩倉遺跡の青銅器のような重大発見がニュースで取り上げられる事例があります。島根県内には未知の遺跡が多く、発掘調査で存在が明らかになります。今...
いまどき島根の歴史◆293◇ 明治政府による「廃城令」 城郭の運命に大きな影響 〈土橋 由奈〉 山陰 2024/2/6 04:00 明治時代の初めごろ、政府は全国の城郭(じょうかく)の存廃を分ける重大な法令を出しました。1873(明治6)年1月14日、「全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方」という法令で、一般的...
いまどき島根の歴史◆292◇ 江の川流域の鉄生産 中小規模の鉄師分散し活躍 〈榊原 博英〉 山陰 2024/1/30 04:00 江戸時代の松江藩では、たたら製鉄の保護統制を行い、広い土地や山林を持つ鉄師(てっし)による経営が行われました。この連載でも取り上げた、ドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」のロケ地...
いまどき島根の歴史◆291◇ 製鉄の新技術・角炉を導入 櫻井家の鋳物づくり 〈目次謙一〉 山陰 2024/1/23 04:00 明治時代以降、洋式高炉(こうろ)による安価な鉄が広く利用されていき、従来のたたら製鉄による鉄は割高となりました。経営者たちは販売先の開拓や製鉄技術の革新を模索したのです。 経営...
いまどき島根の歴史◆290◇ 「獅子殺し」の場面が似る 出雲に伝わる北陸由来の獅子舞 〈石山祥子〉 山陰 2024/1/16 04:00 新年の季語でもある「獅子舞」は、この時期によく目にする正月の風物詩のひとつです。島根県内では新年以外に春や秋の祭りにも獅子が登場し、舞を舞ったり、無病息災を願う人びとの頭を噛(か...
いまどき島根の歴史◆289◇ 2000年前 共通文化で結ばれる 中国山地のネットワーク 〈東森晋〉 山陰 2024/1/9 04:00 昨秋、26年間の運行を終えた、JR木次線を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」。中国山地の景色に映える青と白の美しい列車の見納めに、ラストラン当日は県内外から多くのファンが沿線を訪...
いまどき島根の歴史◆288◇ 砥石の存在 「見えざる鉄器」を探す 〈吉松優希〉 山陰 2023/12/19 04:00 先日、自宅の包丁の切れ味が悪くなったので、初めて砥石(といし)を購入してみました。いろいろな刃物を使う上では日頃のメンテナンスなどのため、砥石は今も昔も欠かせない道具です。日本列島に鉄器が導入された弥生時代もそれは同じです。 島根県には弥生時代中期ごろに鉄器がもたらされます。県内で出土した弥生時代の鉄器は墓や集落などから520点以上が出土したことが知られています。この出土量は、全国的に
いまどき島根の歴史◆287◇ 古代の大量の紙 朝廷への報告は文書で〈野々村 安浩〉 山陰 2023/12/12 04:00 近年、増大する紙資料の削減を目指し、タブレットなどの電子機器を利用する動きが進んでいます。島根県議会でも、まもなく会議資料の電子化(ペーパーレス化)への具体的な取り組みが始まりま...
いまどき島根の歴史◆286◇ 「出雲国風土記」郡司署名の謎 控えか 都に2通提出か〈橋本 剛〉 山陰 2023/12/5 04:00 713(和銅6)年の詔(みことのり)によって作成が命じられた出雲国風土記は、20年後の733(天平5)年に完成し、都へ提出されました。ただし、当時の風土記は残っておらず、私たちが...