天王星に対する金星の位置の変化、円は双眼鏡で見える範囲(はんい)のイメージ(機種により異なる)=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成
天王星に対する金星の位置の変化、円は双眼鏡で見える範囲(はんい)のイメージ(機種により異なる)=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成

金星と接近し探しやすくなる

 水星(すいせい)、金星(きんせい)、火星(かせい)、木星(もくせい)、土星(どせい)という曜日と同じ名前がついた星は、昔からよく知られています。これらは、地球と同じように太陽の周りを回っている惑星(わくせい)で、地球から見れば、それぞれが星空の中を異(こと)なる速さで少しずつ動き、互(たが)いに近寄(ちかよ)ったり離(はな)れたりします。

 惑星には、ほかに天王星(てんのうせい)と海王星(かいおうせい)があって、土星よりも外側を回っています。この二つの惑星は、古くから知られていたのではありません。天王星は1781年、海王星は1846年に、望遠鏡(ぼうえんきょう)を使って発見されました。

 このうち天王星は、肉眼(にくがん)ではなんとか見えるかどうかという明るさで、双眼鏡(そうがんきょう)を使えば十分見ることができます。ただし、ほかの暗い星と見分けを付けるのはなかなか難(むずか)しいでしょう。

 3月末から4月初めにかけて、その天王星が金星と接近(せっきん)するので、探(さが)しやすくなります。昨年は皆既月食(かいきげっしょく)のときに天王星が月にかくされるということがありましたが、それに続く観察のチャンスです。

 金星は、今、太陽が沈(しず)んだ後の西の空でたいへん明るく輝(かがや)いていますから、すぐに分かります。3月31日と前後数日は、双眼鏡を金星に向ければ、天王星が一緒(いっしょ)に捉(とら)えられます。空が暗くなった午後8時ごろに見るのがいいでしょう。図を参考に探してみてください。

 同じ惑星でも、天王星の明るさは金星の約8300分の1です。そんな明るさの違(ちが)いも感じてみましょう。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)