
Q.乳幼児の防寒対策
寒い時季、どれくらい厚着をさせていいものか、悩みます。裏起毛の衣類はよくないとも聞きます。厚着はさせない方がいいのでしょうか。
YUBI先生の回答
昔から「子どもは風の子」といわれます。そのため、子どもは寒さに強いと思われがちですが、江戸時代までさかのぼって由来を調べてみると、そういう意味で使われたものではないことに気付きます。

本来は「子どもは家でぬくぬく大事に育て過ぎるのではなく、少々薄着になっても寒くないくらい、外でしっかり遊ばせましょう」という意味で使われていました。
同じ由来の中には「子どもに腹いっぱいの食事は与えず、腹八分目とし、食べ過ぎて太らせないようにしましょう」といったことも書かれています。「子どもは風の子」は、子どもの健康対策の一つとしてピックアップされた言葉だったのです。
つまり、子どもが寒さに強いというのは解釈の間違いです。子どもも大人も寒い時は寒いですので、厚着をしてもいいし、裏起毛の衣類を着てもいいのです。
ただ、子どもが園に行って、暖かい室内で走り回って遊んだ場合などは、体に熱がこもってしまうので、早めに薄着になることが勧められます。また、裏起毛の衣類は、汗の吸収が弱いため、汗をかくような状況になれば、汗を拭くなり、着替えるなりの対策が必要です。
いずれにしても、子どもの様子をよく観察してあげることが大切で、その時々に合った服装を心がけましょう。少々面倒ではありますが、子どもとのコミュニケーションの一つとして、親も子も楽しく脱いだり着たりができれば幸いです。
ドクター・ユビさん プロフィル
米子市出身。小児科医。2012年に「米子こどもクリニック」を開いた。ユーチューバー、ティックトッカー、保育園や訪問看護ステーションを運営する経営者として働く一方で、8児のパパとして奮闘中。子どもたちに「『口ではなく、背中で語る』男になりたい」と思っている。