半月過ぎの月。欠けぎわに多くのクレーターが見える=2019年7月11日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
半月過ぎの月。欠けぎわに多くのクレーターが見える=2019年7月11日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)

5月1日前後が見ごろ

 大昔のヨーロッパでは、天にあるものはみな完璧(かんぺき)な形をしており、月も大変なめらかな表面をしていると信じられていました。400年あまり前、イタリアの天文学者ガリレオは、世界で初めて望(ぼう)遠(えん)鏡(きょう)を月に向けました。すると、その表面は決してなめらかではなく、むしろでこぼこしていることが分かったのです。

 そのでこぼこをよく見ると、たくさんの皿のようなくぼみがあり、それらのくぼみは後にクレーターと呼(よ)ばれるようになりました。クレーターは、何十億年も前、隕石(いんせき)が月にぶつかった跡(あと)です。

 ガリレオのようにクレーターを見てみましょう。大きな天体望遠鏡があればもちろんよく観察できますが、小さな望遠鏡、例えば簡(かん)単(たん)な工作キットの天体望遠鏡でも見られます。

 また、双(そう)眼(がん)鏡(きょう)を使うのも手軽でおすすめです。昼間に遠くの景色を見るのと同じように、夜空の月をのぞいてください。高く昇(のぼ)った月を見上げる姿(し)勢(せい)のときでも、できるだけしっかりと双眼鏡を持って、動かさないようにするのがこつです。

 それから、クレーターを観察するには月の形も大切で、半(はん)月(げつ)前後が適(てき)しています。太陽の光が横から当たっているため、欠けぎわあたりにあるクレーターに影(かげ)ができて見やすいのです。光が正面から当たっている満月では、影がなくなるためクレーターはよく見えません。

 今から最も近い半月は5月1日で、半月になる少し前の今夜から、半月過(す)ぎの5月4日ごろまではクレーターの見ごろとなります。日(ひ)暮(ぐ)れ後には南の空に月が出ていますので、家の庭やベランダなどから見てください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)