メリークリスマス! 今日はクリスマスイブですね。
クリスマスはキリスト教の行事です。とはいっても、日本でのクリスマスはそこまで宗教色(しゅうきょうしょく)の濃(こ)いイベントではありませんね。
でもクリスマスが、イエス・キリストの誕生(たんじょう)を祝う日だということは、知っている人も多いと思います。
「え? お祝いってどういうこと?」と思った人は、まずはこの本を読んでみましょう。『メリークリスマス ―世界の子どものクリスマス―』(市川里美(いちかわさとみ)画、R.B.ウィルソン文、さくまゆみこ訳(やく)、BL出版(しゅっぱん))にはクリスマスのいわれや、各国のクリスマスの様子などが、美しい絵で描(えが)かれています。
フィンランドではクリスマスイブの朝に、子どもたちがツリーにする木を取りに行きます。木を切り倒(たお)し、そりに乗せて家まで運び、夜のパーティーに間に合うように飾(かざ)りつけをします。大変でしょうが、楽しそうですよね。
それぞれの国のこと以外にも、クリスマスソングやクリスマスのお菓子(かし)、クリスマス飾りの作り方も載(の)っています。
クリスマスがキリスト教の行事だということは、先にも書きましたが、どんな宗教なのか知っていますか? 『世界とつながるみんなの宗教ずかん』(中村圭志(なかむらけいし)監修(かんしゅう)、ほるぷ出版)にはさまざまな宗教のことが書いてあります。
キリスト教は世界三大宗教の一つで、全世界で約24億人の信者がいます。日本では約100万人がキリスト教徒です。日本人の100人に1人はキリスト教徒だということになります。これは、ほかのアジアの国々とくらべると、かなり低い数字だそうです。
クリスマスやバレンタインデーなど、キリスト教由(ゆ)来(らい)の行事はすっかり根付いているのに、どうしてでしょう。不思議ですね。
根付いているといえば、私(わたし)たちがよく使う言葉にも、キリスト教由来のものがあります。
「豚(ぶた)に真珠(しんじゅ)」という慣用句(かんようく)を知っていますか? 価値(かち)が分からないものに貴重(きちょう)品をあたえても無意味である、という意味です。これはキリスト教の新約聖書(しんやくせいしょ)「マタイ伝七章六」の一説にあるキリストの言葉を要約したものです。よく使う言葉ですが、まさかキリスト教由来だったなんて、「目からうろこ」です…。実はこの「目からうろこが落ちる」という言葉も、新約聖書「使徒行伝(しとぎょうでん)」第九章にある逸話(いつわ)からきています。
こんな驚(おどろ)きの言葉の由来や語源(ごげん)を知ることができるのは、『ワケあり!?なるほど語源辞典』(冨樫純一(とがしじゅんいち)監修)、さがわゆめこ絵、グラフィオ編著(へんちょ)、金の星社)です。ほかにもいろいろな言葉の語源が載っています。
さあ、クリスマスを楽しむ準備(じゅんび)はできましたか? クリスマスを題材にした本はたくさんあるので、自分に合った本をぜひ見つけてくださいね。
(安田雅子(やすだまさこ)・川本(かわもと)町立川本小学校図書館司書)